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2024.02.24
近年、就活の場においても「メタバース」が活用され始めています。仮想空間上で様々な人とコミュニケーションを取ることができるメタバースですが、比較的新しい技術ということもあり「メタバースで就活するイメージがない」「どのようなメリットがあるのか分からない」という意見が多く見られます。
そこで本記事では、メタバースを活用した就活のメリット・デメリットについて詳しく解説します。メタバース就活の事例も紹介しますので、メタバースでの採用活動が気になっている人事担当の方や、メタバース就活に興味や関心がある就活生はぜひ参考にしてみてください。
目次
はじめに、メタバース就活とはどのようなものかを説明します。メタバース就活とは、名前の通りメタバースの技術を取り入れた就職活動のことです。
メタバースはビジネスシーンやゲーム、イベントなど幅広い分野で活用されており、近年では就職活動のシーンでも活用されています。メタバースは合同説明会や就活相談、会社見学など、幅広い用途で利用されています。
オンライン就活との違いについて オンライン就活とは、インターネットを利用する形の就職活動のことです。昨今のコロナ禍の影響もあり、離れた場所からでも就職活動を行える「オンライン就活」の需要が高まりました。たとえば、Zoomでの企業説明会やインターンシップなどがオンライン就活に該当します。
一方のメタバース就活は、仮想空間上で自分の分身であるアバターを操作する形となっています。Zoomの場合、一方通行の対話になりやすいですが、メタバースの場合は実際に対面してしているような感覚でアバターを介して対話できるのが特徴です。離れた場所からでも臨場感を感じながら、就活イベントに参加することができます。
オンライン就活とは、インターネットを利用する形の就職活動のことです。昨今のコロナ禍の影響もあり、離れた場所からでも就職活動を行える「オンライン就活」の需要が高まりました。たとえば、Zoomでの企業説明会やインターンシップなどがオンライン就活に該当します。
一方のメタバース就活は、仮想空間上で自分の分身であるアバターを操作する形となっています。Zoomの場合、一方通行の対話になりやすいですが、メタバースの場合は実際に対面してしているような感覚でアバターを介して対話できるのが特徴です。離れた場所からでも臨場感を感じながら、就活イベントに参加することができます。
メタバースでの就活イベントは、パソコンやスマートフォンなどから気軽に参加できるものが多いです。たとえば、以下のような就活イベントで活用されています。
会社説明会は企業を知ってもらう場として、企業・就活生双方にとって大切なイベントとなっています。しかし遠方にいる就活生や求職者の場合、企業まで足を運ぶ必要があり、金銭面で大きな負担となるケースがあります。
メタバースでの会社説明会は、インターネット上の仮想空間で開催される形になるため、場所・時間を問わず、就活生や求職者に自由に見てもらうことが可能です。
合同説明会は、企業ごとに専用ブースを設けて企業の概要や事業内容等を説明する場です。メタバースでの合同説明会では、メタバース空間内に各企業のブースを設置する形となっています。たとえば、アバターを介して質疑応答を行ったり、資料・動画を用いて説明を行ったりすることが可能です。
また合同説明会の場合、アバターで自由に歩き回りながら多くの企業を見ることができるため、企業と就活生の偶発的な出会いも期待できるでしょう。
会社見学などもメタバース上で行うことができます。メタバース空間内にオフィスを再現することで、就活生や求職者は遠い場所からでもアバターでアクセスすることができ、さらに対面のように企業の担当者とコミュニケーションを取ることができます。
リアルの会社見学の場合、参加者はオフィスの隅々まで自由に見学することは難しく、企業の予定に合わせた上で現地まで足を運ぶ必要がありました。メタバースでの会社見学では、場所・時間などの制限がなく、就活生や求職者は自分の好きなタイミングでオフィスを見学することが可能です。
実際の仕事を体験してもらう「インターンシップ」なども、メタバースで体験することができます。インターンシップは、対応する社員を選出したり、日程を調整したりなど様々なコストが掛かりますが、メタバース空間であれば制限なく仕事に取り組んでもらうことが可能です。
メタバース空間内にオフィスや仕事現場を再現することによって、参加者は実際に企業で働いているような感覚を味わいながら仕事体験ができます。「その会社に興味があったけど、実際に働いて見たらイメージと違った」といったミスマッチを減少できるのがメリットです。
メタバース就活は、採用者側・企業側どちらにとっても多くのメリットがあります。まずは、採用者側のメリットについて解説します。
対面形式での就活の場合、リクルートスーツに着替えたり、企業のオフィスや説明会の会場まで足を運んだりなど、体力や時間、金銭面で負担になるケースが多いです。メタバース就活の場合、身支度の手間や会場までの移動時間、交通費などの負担を軽減することができます。
また対面形式の企業説明会では、定員オーバーで参加できなかったり、一日に何社も回れなかったりなど、様々な制約がありました。メタバースでは時間や人数等の制約に左右されないため、興味がある企業の話や情報を自由に聞くことができます。より効率的に就職活動を進められるでしょう。
メタバースでは、アバターを介して対面に近い感覚で気軽にコミュニケーションをとることができます。対面やZoomなどで企業の担当者と会話するのは緊張するものですが、アバターを介して会話することで、話す際の心理的なハードルを下げることができます。
採用者側の就活生は顔を出さずに質問できるため、よりリラックスした状態で企業のことを知ることができるでしょう。たとえば、給与や福利厚生など事前に知っておきたい企業の情報を入手しやすくなります。
オンラインでの会社説明会の場合、企業側の説明がメインとなってしまうため、参加意識が薄くなりがちです。メタバースの場合、本当にその場にいるかのような臨場感・没入感を感じることができ、企業の担当者や他の就活生の動きなども把握できるメリットがあります。
オンラインよりも臨場感があるため、緊張感をもって参加することができるでしょう。
企業がメタバースを採用活動で活用するメリットは、以下の4つです。
・遠方の人材に対してもアプローチできる
・就活生と相互にコミュニケーションがとれる
・会場設営などコストを削減できる
・企業の認知度アップやブランディング効果につながる
それぞれの内容について、詳しく解説します。
前述したとおり、メタバースでの就活イベントは採用者の交通費や移動時間などの負担を軽減できます。そのため、企業側は遠方にいる人材に対してもアプローチできるようになり、優秀な人材を獲得しやすくなります。
対面での就活イベントは、都市部と地方で参加人数に偏りが見られますが、メタバースを活用することでこのような格差も解消できるでしょう。
メタバースでの就活イベントは、企業担当者・就活生どちらも顔は出さずにアバターを介して相互にコミュニケーションを取っていきます。顔を出さないことで心理的なハードルが下がるため、より活発に会話しやすくなり、就活生の本音を聞きやすくなるでしょう。
また、企業に対して不安に思っていること・疑問に感じていることを事前に聞けるため、就活生の不安を解消し、安心感を持ってエントリーしてもらえるメリットがあります。
リアルで会社説明会や合同説明会を開催する場合、会場を確保する手間や会場設営、当日の運営など様々なコストが発生します。メタバースで会社説明会や合同説明会を行う場合は、これらのコストをカットすることが可能です。
会社見学やインターンシップの場合も同様に、日程調整や対応する社員を選出する手間をなくせるメリットがあります。
メタバースを活用した採用活動はまだまだ珍しいものです。メタバースを活用した取り組みは話題性もあり、先進的な技術を積極的に取り入れている企業として認知されやすくなります。そのため、企業の認知度アップやブランディング効果にもつながるでしょう。
メタバース就活は、採用者側・企業側どちらにも様々なメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。
メタバースの就活イベントは匿名性が高いため、相手に自分をアピールしにくいというデメリットがあります。そのため、対面でのアピールが得意な人にとってはあまりプラスに働かないといえるでしょう。
また、メタバース上で就活を完結させてしまうと、職場の雰囲気を知らない状態で入社することになり、入社後にミスマッチを感じる可能性が出てきます。入社後のミスマッチを抑えるためにも、メタバースと対面の両方で就活イベントに参加しておくと良いでしょう。
企業側の場合、メタバースだけでは社員の人柄や想い、企業の雰囲気などを伝えきれないというデメリットがあります。就活生に企業の雰囲気を伝えるためには、メタバースイベントだけでなく、実際に対面する形の就活イベントも実施した方が良いでしょう。
近年、国内の様々な企業がメタバースを活用した就職イベントを開催しています。ここでは、メタバースを活用した就職イベントの事例を3つ紹介します。
荏原製作所は、2022年12月14日・16日、2023年1月13日に専用のメタバース空間で新卒向けのインターンシップを行いました。選考に通過した約50名の学生が、アバターを介してディスカッションやプレゼンテーション等のグループワークを行いました。
このインターンシップは、メタバースがこれからの新しい働き方の手段として十分なポテンシャルを持っていることを実証する機会になったとのことです。
メタバースを活用した取り組みを積極的に行っている中京テレビでは、2022年10月にメタバース空間で新卒向けの会社説明会を実施。アバターを使って匿名性を担保し、就活生が本音で質問や悩みを相談できる場を提供しました。
このイベントでは、合計200名の定員に対して全国各地から約2倍の応募があったとのことです。さらに、イベント後の参加者アンケートでは満足度95%という数字が出ており、満足度が高い就活イベントになりました。
株式会社Awwでは、2022年に「Decentraland」というメタバース空間で採用選考面談を実施しました。採用担当者・候補者ともにアバターを作成し、Decentraland内の空間でカジュアルなコミュニケーションを実現。株式会社Awwは、「まだ誰もやっていない分野に対して、スピード感を持って挑戦する」ことを大切にしています。メタバース空間内での採用選考面談の実施は、世界初とのことです。
参考:【【世界初】メタバース空間「Decentraland」にて採用候補者との面談を実施!ここでは、就活のイベントや面談で実際に利用実績があるメタバースを3つご紹介します。
紹介するのが「V-expo」です。V-expoは株式会社m-Labが提供・運営しているメタバースになります。就活に関するイベントに関しては、株式会社 ジェイエイシーリクルートメントによる「キャリアの棚卸セミナー」というイベントの開催・運営をサポートした実績があります。イベントの詳細は、以下の記事をご覧ください。
V-expoでは、就活イベントの他にも、婚活イベントや社内イベント、展示会、セミナーなど様々な目的で利用することができます。リハーサルから当日までのサポートも行っており、メタバースイベントに関する質問や相談なども可能です。
次に紹介するのが「Horizon Workrooms」です。Horizon WorkroomsはアメリカのMeta社が提供しているサービスです。
「株式会社On’yomi(オンヨミ)」は、オンライン面接が増えている中、学生が面接に臨む際に対面と比べてぎこちない雰囲気になってしまうという課題を感じて、Horizon Workroomsを活用したメタバース面接を導入しました。
オンヨミの採用担当者によると、メタバース面接で雰囲気が柔らかくなり、オンライン面談よりも本人らしさを引き出せると感じたとのことです。
Horizon Workroomsを利用するためには専用のVRゴーグルが必要であり、準備の手間・コストがかかります。しかし、Meta社が提供しているサービスということもあり、信頼性を重視してメタバースサービスを導入したい人という方におすすめです。
「就活メタバース」は、仮想空間内でキャリアコンサルタントの方に就職相談を行えるメタバースサービスです。
対面で話している感覚で就職活動の悩みを相談し、自身の希望に沿ったキャリアプランを提案してもらえます。これまでにはなかったタイプのメタバースのサービスだと言えるでしょう。
非常に画期的なサービスですが、対象は「4年生大学(大学院)を2023年3月に卒業予定の学生」と限定されています。より多くの人がサービスを利用できるように、現在新サービスを開発している段階であるため、今後どのようなサービスが開発されるか注目されています。
今回は、メタバースを活用した就活のメリット・デメリットについて解説しました。
メタバースを活用した就活は、企業・採用者どちらにとっても様々なメリットがあります。ただし、企業側はメタバースだけでは社員の人柄や想い、雰囲気などを伝えきれない面があること、採用者側は匿名性が高くて自分をアピールしにくい面もあるということは認識しておくと良いでしょう。
メタバースの技術は今後さらに進化・拡大していくことが予想されています。企業側としては、採用活動の中でメタバースによるイベント開催も選択肢の一つに入れておくと良いでしょう。採用者側は自身の就活の選択肢を増やすために、メタバースの就活イベントにも積極的に参加してみるのがおすすめです。
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